So-Jin Tales chapter 1 Kamioka "Generator"
2024.1.16-1.31
ギャラリー16(京都)
この作品は、ある架空の物語を下敷きにギャラリー空間全体を構成するインスタレーション作品です。
シリーズ第一回目となる本作品は、京都神楽岡にある吉田神社、斎場所「大元宮」に触発されたもので、中世神道が持っている神儒仏が混淆する豊穣さや、そこから生まれる独特の形態を少しでも可視化できればと思います。神が常駐し鎮座する場としての神社ではなく、神の降臨する場としての沙庭(さにわ)や神籬(ひもろぎ)が示す「虚(きょ)の空間」。それは私たちのインスタレーション作品が求めていた場なのかもしれません。大元宮に祀られている式内社三千百三十二座の神々とともに、延喜式神名帳以降、平安から明治、そして現在に至る中で生まれた、幾座かの物言わぬ神々が共にこの空間に集まります。
前室でのパネル・映像展示
K・M:Matumoto Kazushi, Others:Yasuhiko Ando
この作品は、奥の部屋に展示されている設置物と前室のパネル展示で構成されています。言い換えれば奥の展示物は、前室によって神岡鉱山地下埋設神社の「復元展示」として位置付けられているということになります。
タイトル・パネル
映像キャプション
モニター表示映像(19:00)
八角形の台座の内部にメインの制御基板(「兼倶基板」)が置かれています。そこから様々な信号を出しています。まず八角の台に載せられている八角形の法輪を一定の間隔で回転させたり、回転の速さを変えています。そして、その回転に合わせて、内部に設置されている振動スピーカー(神道スピーカーではありません)から基底音を鳴らし、壁面に設置されている八つの祠(扉)に信号を送っています。その信号は、法輪の内部から突き出している透明なアクリル製の棒(「心柱」)の中にあるアンテナから送信され、八個の祠、それぞれの上方、天井に設置されているサブ基板(「神々の基板」)で受信されます。信号を受けると、祠上部の額のLEDが点灯し、祠(扉)内部に設置された小型スピーカーから、それぞれに合わせた音が流れます。このような制御システムは、中央の法輪から周囲の神々を呼び出すという吉田神社「大元宮」の持っていただろう構造をシミュレートしたものとも言えます。